麩

プルーフ・オブ・マイ・ライフの麩のレビュー・感想・評価

3.0
劇作家デヴィット・オーバーンが舞台劇用に書いた戯曲「poof/証明」の映画化。
プルーフはピューリッツァー賞の戯曲部門、トニー賞を受賞した傑作舞台劇

映画として観たらたしかに盛り上がる部分には欠けるかもしれないけれど
生粋の舞台劇好きとしては観ていてゾクゾクするほど素晴らしい“戯曲”だなぁと思った
新国立劇場で、小川絵梨子さんの演出で観たい。
というか、「映画」を観ながらその「舞台」の様子が、観客としてその場にいたかのように鮮明に脳内に浮かんできた

やっぱり舞台劇の映画化ってむずいなと思った
「そのへんの舞台よりずっと素晴らしい映画」って本当に山ほどあるし
映画のほうが世間一般には名作との出会いの機会も多く良作の数も桁違いなように思えるけど、
舞台劇ってその場限りであとに残らないってだけで、その場に居た人の記憶の中でしか生きられないってだけで、古代ギリシャの頃から傑作は山ほど出てて、世の中を動かした演劇だって、歴史を動かし歴史に残った演劇だって、ひとの人生全てに影響するような瞬間だって溢れてるんだよなということを思い出した
映画と舞台は比べものにならない全く別のもので、映画より面白い舞台だって死ぬ程あるんだよね

何が言いたいかというと
プルーフは間違いなく傑作戯曲だということで、
この映画はあくまでそのストーリーだけを頂いた映画作品なので、プルーフの素晴らしさを伝えるには力不足は否めない
すごく面白い映画だけど、戯曲の面白さはこの比ではないから
麩