みむさん

プルーフ・オブ・マイ・ライフのみむさんのレビュー・感想・評価

3.3
精神を病んだ天才数学者の父と、その才能と精神の不安定さも受け継いだ娘。父が亡くなったあと二人が暮らす家で歴史に残る数学の証明を記したノートが見つかった…。
元が舞台劇だとは観た後に知った。

グィネス・パルトロー、ジェイク・ギレンホール、アンソニー・ホブキンスの共演。
アンソニーは出番少ないながらもさすがの存在感だった。

学会を揺るがす発見の話よりも、精神を病んで自分を見失っている者が周囲とぶつかりながら前を向いて歩き出す物語だった。

グィネス・パルトローがかなり厄介な役を見事に演じていた。信じてほしくても信じてもらえない、手を差しのべられても過干渉だと思い込む、イヤになると当たり散らす…。誰にでも多かれ少なかれある部分で直視したくない姿。

父に認めてもらいたい時に父はもう以前のような状態ではないってのも辛すぎて、キャサリンが参っていくのもよくわかる。そんな時に周りからあれこれ言われても全く余裕がない。自分が置いてきぼりになる感覚に陥り余計に余裕がなくなるんだな。

努力が報われ事実が明らかになること、信じてくれる人がいたことが彼女のメンタルに一番効いたのかもしれない。確かにそうだよね、それが満たされると前向きになるってのはよくある。

数学にまつわる発見の証明、自分の人生と存在価値の証明を掛けたタイトルなのかな。