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ミルピエ パリ・オペラ座に挑んだ男のOのレビュー・感想・評価

3.7
とても良い。良質なドキュメンタリー。程よい緊張感。イエローのロゴがドキッとする。
踊る喜びと厳しさを知る。

身体が細くて滑らかでバランスが良い。無駄がない。見ていて気持ちがいい。生まれ持った素質なのか努力で得たのか。

ダンサーに必要なのは長い足、長い首、長い腕。オペラ座のダンサーは常に不安だ。周りと自分を比べて不安にさいなまれる。競争と階級

素質があって初めて一流になれる。
コンテンポラリー・ダンスでは自由と開放感を味わった。自己表現の喜び。

ダンサーは動きの中に感情を込めるので、自分を知れば知るほど感性も豊かになれる。
感性を磨く事はとても大切だ。ダンスは鋭い感覚が必要だ。空間や時間の感覚。

「白人しか入団させないと聞いた。
国籍も肌の色も違うダンサーを起用したい。こんな差別は破壊すべきだ。このまま続ければ観客の考えも永遠に変わらない。
社会の手本になれないバレエは意味がない。」

心を揺さぶると感情がドラマチックに高まり、とても新鮮な印象になる。

ダンサーたちの言葉が深い。
私は内気な性格だけど、上手く話せなくても踊ると表現できる。
踊ると言葉を忘れて無心になれる。心配も悩みもどこかへ消え去る。それは瞑想と慈愛のひと時だ。

自分自身に向き合い、変化を恐れず、挑戦し続けている姿に惹かれる。

変化が必要だ。喜びのないダンスは空しい。そんなダンスは死ぬ程つまらない。

水風呂は身体を踊る前の状態に戻してくれる(良い情報)

クリア、ラウド、ブライト、フォワード

音楽も良い。申し分ないダンサーたちだからこそ、激しく怒鳴ったりする事もなく、お互いを褒めて、高め合う。

コンテンポラリー・ダンスもクラシック・ダンスも すべての瞬間は君たちのものだ
エゴイストになれ、この努力は自分の喜びのためだ 常に踊り続けろ 自分たちのために踊るんだ
本番にミルピエが言った言葉とそれを聞くダンサーの表情が良いなあ。

ダンサー全員がまとわりつくようなダンスは圧巻。息が止まりそう。

どなたかが言っていたけど過程が良い。本番が一番大事だけど過程の時間がとても良いんだと。ちょっと鳥肌立つぐらい良かった。
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