Maoryu002

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦のMaoryu002のレビュー・感想・評価

3.9
第二次世界大戦中、ドイツ占領下のプラハでナチス幹部のラインハルト・ハイドリヒを暗殺しようとする人々を描いた映画。

終盤はかなり派手な銃撃戦が繰り広げられるが、全体的には抑えのきいたじっくりとした作りのせいか、異様にリアルで緊迫感のある内容だった。
戦争の恐ろしさ、悲しさ、惨さ、どの言葉でも足りない、人を悲しませる映像が後を引いた。

若い隊員のヤンが無邪気にレジスタンスの女の子との結婚をみんなに報告するも、明日をも知れない状況を理解しているみんなは誰も素直には喜べない。そんな細かな表情の一つ一つが悲壮感を高める。

そして、珍しく(?)キリアン・マーフィーが貫禄の演技を見せているのが良かった。ずっと、頼りない役が多いが、この映画ではしっかりとまわりをリードする役をこなしてたのが印象的だった。

道具や乗り物、武器など、ディテールと狭い空間での映像にこだわってるなー、と思ったら、監督はフローズン・タイムのショーン・エリスだった。なんかビックリ。こんな映画も撮るんだ。

最後に。レジスタンスのキーマンを演じるトビー・ジョーンズがいい味出してる。どうしても「小物」のイメージが強いけど、この映画では個性を最大限に魅せている。
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