緑青

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦の緑青のレビュー・感想・評価

3.9
キリアン・マーフィが出ているし、『ワルキューレ』と同じくナチスの暗殺ものだというのでいい繋がりだなと思って視聴。最後の瞳と表情が頭に焼き付いて離れない。キリアンありきの演出ですよねあれは。凄まじかった。本当に凄まじかった。
チェコってこんなことになっていたのか。私がいかに無知であったかがよくわかった。『ワルキューレ』でもあったように、「チェコはナチスに抵抗しているのだと示さなければならない」という決意に胸が締め付けられる思いがした。近代国家ってなんなんだろう。あと、彼らはロンドンの亡命政府から任務を命じられた一介の「兵士」に過ぎないという点も心に重くのしかかってくる。上層部の顔が一切見えない演出は効いていますね。現場と上層部との乖離はあったのだろうと思う。それでもなお「命じた」上層部の必死さもわからなくはないけど、これがどれほど危険で確率の低い賭けで、彼らの命がその後どうなるかは予測できたことだっただろうし、それを保護しなかったのだから、見殺しにしたも同然だろう。もとよりそのつもりで命じていたのかもしれんな。
暗殺を実行したらそれで終わりではなく、そのあとの方がずっとずっと大変だということがガッツリ描かれるのは、「歴史」「史実」をもとにする作品の最大の価値であり強みであると思います。
あと、拷問シーンが匂わせとかじゃなくえぐめに描かれていたのが辛かったんですけど、その拷問された子が潜伏先を明かす展開になって、「あぁ、観客への弁明のためにそんな痛ましい場面を長めに撮って…要らんよそんなの…責めないよその人のこと…」と更に辛くなるなどしました。一方でキリアンの相手役としてレンカの役者さんが若すぎなくて、良心のある映画だと思った。レンカさんとても好きだった。とても。

かなり忘れ難い映画になりました。映画館で見たかったです。