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ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦のsobayuのレビュー・感想・評価

4.0
つらかった。見終わって数日、まだ時々ふと頭に浮かんではテンションが下がる。やってることはコードネームuncleと大差ないのに...ぐぬぬ。

前半はまだスリリングだけどロマンチックさもあったりして、尋問シーンも間接表現に抑えられてて、ああこういう感じの映画なんだな~と油断してたら後半になってぶん殴られた。拷問て本当に怖い。青酸カリを落としちゃう下りなんて、なんて意地悪なんだろう!これほどまでに「死んだ方がマシ」と思わせるなんて。

そもそもハイドリヒを殺したところで何が変わるのか。教会に籠城したところで、ナチスの末端の兵隊を何人殺したところで。それでもみな命を掛けてやろうとする。

ラストやや唐突に幻想シーンが入るの、私はちょっと違和感を感じなくもなかったけれど、キリアンのうつくしい青い瞳をやっぱりどの監督も撮りたくなるものなんだな~と思えば感慨深い。

登場人物が英語を喋っているのとかは気にならないのだけど、ナチスのドイツ語には一切字幕がつかない演出というのは誰が決めているのかな。そういうのたまにあるけど、言葉が分かる人と分からない人とで評価が分かれてしまわないのだろうか。字幕頼りの鑑賞者としては、ナチスの言葉なんて聞くに値しないと言われているような気がした。あとはまあ主人公達はドイツ語が分からなくて、それに添う意図なのかも知れない...なんにせよそれは字幕で見る人しかしない受け取り方になりますよね。それも作品の一部にしちゃっていいのかな~。

とにもかくにもこれまた良いナチスもの映画だった。本当はもう一回くらい観たいのだけど、なかなかつらいな...。でも圧倒的に観てよかった。すごい。
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