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ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦のJIZEのレビュー・感想・評価

3.4
ナチス第三の男ラインハルト・ハイドリヒの暗殺を描いた劇映画。かなり事実性に則した作品だ。ガチガチの戦争映画かと予想した反面,作戦に頭を悩ます"若者の葛藤(会話劇)"が支柱へ打ち込まれる。

原題の『Anthropoid』は主に"暗殺作戦の名称(類人猿作戦)"を指す。ハイドリヒの知識がほぼなかったが入念に計画された準備が作品諸々の世界観に重味を与える。ナチの残忍さは痛く生々しく描かれいつも最前線で犠牲となるのは市民たちなのだと犠牲の上に成功がある事実には非常に考えさせられる。

史実を忠実に描かれるため歴史を遡れば結末もそのままなのだが戦争の中で芽生える仲間同士の団結や恋などほどよい重量感が最後まで持続し尚戦時中に生きる若者に寄り添う事が意義深い作品だった。
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