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ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦のjnkのレビュー・感想・評価

4.0
今後公開される予定の「HHhH」と同じ事件の話だけど、あっちは原作通りに映画化されたら少し変わったアプローチになるはずだから、その前にストレートに攻めた良い映画が見れてとてもよかった。
極めて事実を突き詰めて書かれてる「HHhH」を読めば本作もかなり忠実に映像化されてることがわかるし、ナチが煽って一般市民を疑心暗鬼にさせる描写も的確で、いつ誰が裏切るかわからんし暗殺以前に生きてる心地がしないという感じが伝わってくる。
ドキュメンタリー風のカメラワークは戦闘シーンよりも生々しい生活場面で活きてて、何を信じれば良いかわからなくなるというのを映像で語る様は見事すぎた。
やり方を間違えればただ無意味で事態を悪化させるだけの作戦を美化するだけの作品になってたと思うけど、それを回避するだけじゃなくクライマックスで主人公達が葛藤に打ち勝つ様にも感動が生まれる。
ラストの戦闘シーンは圧巻で、追い詰められるのがわかってて、実際に追い詰められて「どう死ぬか」を極限状況で選択しなくてはいけない人達の話が続く。
そんな中で最後まで戦い続ける姿はヒロイズムの一言では片付けられない。
このメッセージを今届けないという志を強く感じた。
ナチも元は人間ということは忘れちゃいかん。
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