スローボート

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦のスローボートのレビュー・感想・評価

4.0
ナチス高官(親衛隊大将)ハイドリヒの暗殺をめぐってはフリッツ・ラング監督の名作「死刑執行人もまた死す」があるが、これが事実に「インスパイア」された作品だっのにたいして「ハイドリヒを撃て」は暗殺とその直後の「史実の再現」に努めている。ショーン・エリス監督(脚本も)による出来栄えは大したもので、この作品に賭けた熱意が感じられた。「史実の再現」のうち二人の暗殺実行者の女性関係については事実かどうかは承知していないが、それはともかくナチス支配下のプラハでの出来事の緊迫、迫力の度合いは限界点と言ってよいほど。いっぽうで実行者とチェコという国家の哀切感が漂っていた。プラハの好きな私にはカレル橋をはじめこの街の風景も嬉しかった。