8さん

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦の8さんのレビュー・感想・評価

4.0
ナチス第3の男ラインハルト・ハイドリヒの暗殺計画を、史実を基に描いたサスペンス作品。

第2次大戦中期、ナチスがヨーロッパのほぼ全土を制圧していた頃。イギリス政府とチェコスロバキアの亡命政府とが協力して極秘計画を練る。パラシュートを使ってチェコ領内に送り込んだのは、2人の軍人ヨゼフ・ガブチークとヤン・クビシュ。

当時、チェコの統治者でホロコースト計画を推し進めていたのが、ヒトラー、ヒムラーに次ぐNo.3と言われたラインハルト・ハイドリヒだった…


『死ぬまで戦い続ける事が、俺たちの使命だ。』


色々なナチス関連の作品を観てきましたが、完成度の高さと印象の深さは、間違いなく上位に入るでしょう。暗殺計画のチームリーダーとして指揮を執るヨゼフ・ガブチーク役のキリアン・マーフィーが迫真の演技で、目を奪われますね。身の危険を顧みず任務を遂行を使命とし、不可能とまで言われた任務に果敢に挑戦する熱い心に惹かれてしまいました。独裁政治に怯える市民、ロンドンから送り込まれたエージェントと国内レジスタンスとの考え方の違いなど、絶妙なカット割りと演出で集中力が途切れる事はありません。容赦ないドイツの汚れた歴史の1ページは、あまりの理不尽さと残酷さに言葉を失いかけますが、最後までドラマチックに描かれた演出に作品への思い入れが強くなってしまいました。
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