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ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦のtekitoのレビュー・感想・評価

3.7
2018.03.21.DVDにて鑑賞


みなさん仰っているようにまず邦題!
100万歩譲って「ハイドリヒを撃て」までは理解できるけど、副題「ナチの野獣 暗殺作戦」とまでつける神経をどうにかして。。
なぜこうも巧みにB級感を醸し出せるのか…映画鑑賞人口がどうのこうのとか言われてるけど、まずこういうところからやぞ、配給会社!!意訳しきれないなら原題でいいじゃない!


…グチはさておき、内容はタイトルによって貶められたB級感を払拭する実に重厚な作品でした。

恥ずかしながら全くこのチェコの史実を知らなかったのですが、状況を説明的にすることなく、緊迫感を持たせたまま没入していくこの作品の手腕は稀有なことなのではないだろうか?

命をかけてでも国家を守りたいと思う勇敢な人々によってなされた尊い行いだとは思うのだが、それが引き金となってナチの粛清にあった膨大な人々のことを思うと、それが間違いなく正しかったとはとても言えない気がするというのがなんとも。。

もしレジスタンス達がこの作戦を決行しなければ、チェコ国民数万数千人はナチの報復によって虐殺されなかったかもしれないが、連合国からはナチに抵抗すらしなかったと断罪され、おそらく戦後復興はのぞめず、それこそ「チェコという国が地図から無くなる」ことになっていたのだろう。。

国家とは、人の命とは、、色々考えさせられる映画でした。
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