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ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦のメルのレビュー・感想・評価

4.2
キリアン・マーフィの久し振りの主演作というので大分前から気になっていたのですが、テーマからして重めの内容なので気力と体力がある時じゃないとと思い今に至りました。

結論から言うと素晴らしい作品でした。

この監督の作品は「フローズン・タイム」しか見てないのですがこんな骨太な作品も見事に仕上げています。

ナチスのNo.3 と言われたハイドリヒ暗殺を命じられた男たちの実話。

ハイドリヒを暗殺すればプラハもチェコすらも地図から消されるかもしれないという状況の中で「国を守るためには死ぬまで戦い続けることが軍人としての使命」だと自分に言い聞かせる男たち。

暗殺計画を進める緊張感の中にろうそくの灯りの様に仄かな恋も描いているけど、どの場面も切ない。

そして史実を描いているので拷問、虐殺シーンが淡々と続く。

主役2人の演技が素晴らしい。
恋人との幸せな暮らしを夢にみて自分に課せられた任務を遂行しようとする若いヤン(ジェイミー・ドーナン)

瞳には常に怒りと悲しみが滲み出ているヨゼフ(キリアン・マーフィ)
瞳だけであれだけの演技ができる俳優は中々いないのではないかと思ってしまう。
ラストが切なく悲しく美しい。
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