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ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦のeiganoTOKOのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

エンタメ要素がほとんどないからこそ、レジスタンスのひとりひとりの人生が重く感じられた。
プレッシャーと、迫り来る死と拷問への恐怖に耐えられず、訓練された軍人が取り乱すことは当然ある。パニックを押さえるために銃に弾をひとつずつ入れ直す訓練と、最後の弾丸を残し、冷静に頭を打つ行動。これが重なるため、大義を背負った人たちの想像を絶する訓練がなす粛々とした行動がよけいに悲しく突き刺さる。

最初はハイドリヒの残忍さが文字情報以外描かれていなくて暗殺の重要さが伝わらないのでは?と不安だったが、やはりそこは鬼畜ヒトラー政権。細かい描写がなくとも、暗殺の報復として無差別チェコ市民虐殺、村の16歳以下全員殺して女子供は収容所送り。これだけでしっかり頭おかしい!
やーまじでコイツらと手を組んでた日本てアホかと思いますわ。
しかもドイツは反省してるけど、日本て「出る杭は打つ」で未だに全体主義らしさ丸出しだし、恥ずいわ!
こうして映画で史実を知れることが文化の財産だと思うけど、日本て自国の戦争反省映画ってそんなにない気が…。
もちろん反戦映画はあるけど、最新作で自国の失態を反省した反戦映画ある?思い出せない…(野火は良かったけど

匿ってくれた家族のひとり、お母さんの死体首を息子に見せて拷問する、ゲシュタポのもはや同じ人とも思えない大馬鹿たちを、教会に立て籠もって最後まで粛々と抵抗する。
手榴弾を真顔で投げ返し、味方に「これで最後だ」と補充弾を投げる表情が、必死さを作り込んでなくて、やれることをやる覚悟を決めながらも死と隣り合わせで"作業"してるひとの顔で超リアル。しかし死ぬときは皆、生への執着も見せる。

レジスタンス一人ずつの行動が、生きているときに何をしたか、何をすべきか、というのが重要で、決して自決を美談としては語れないことが理解できる。
ようするに、ナチと手を組み、「捕虜になるのはお国の恥。自決せよ」と軍が教えた日本の自決とは全く異なるものである。
人の死はみな平等だが、生きているときに何を成し遂げたか、これを忘れてはいけない。

恋人役を振舞っていたレンカという女性のレジスタンスも重要な役割を担っていて、ハイドリヒ暗殺を聞いてノリノリになるシーンは激アツ。
女が!男が!と言いたくなくても、その性別役割分担が物悲しいのも戦争だからこそだろうね。怪しまれないように恋人役としてとか、足をチラ見せしてナチの気をひくのとか…。悲しすぎる。

ヨゼフが自決するとき、レンカが目の前に見えるシーンは蛇足すぎるので記憶からカットします。
死んでも会えないし、そうゆう美談は宗教的な想像であり、よくないな

つかどうでもいいけど(いや よくない)イギリス命令だけ下しといて塩対応ひどくね?と思ったり。
ウィンストン・チャーチルは何考えてたんだろか