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ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦のReaのレビュー・感想・評価

4.0
「フローズン・タイム」のショーン・エリス監督が、まさかこんなシビアな題材の作品を撮るとは思わなかった。
とにかく惨くて辛すぎる。こういう作品って「屈せず闘った人たちがいるから、今があるんだ」と少しだけ希望を持てたり、鼓舞される部分があったりするのだが、工作員たちや報復を受けた市民たちの壮絶な最期…受け止めきれないほどひたすら辛い。確かにその後の歴史を大きく動かした出来事ではあるが、でも本来はそういう美化はしてはいけないんだよなぁって、戦争映画を観る度にその残酷さにやり場のない思いを抱えるけど、それは社会にとっての自戒というか、何度でも「これは絶対あかん」て私たち一人一人が胸に刻むためなんだよなって。
私もアマプラ会員復活して意を決して観たけど、もっともっと多くの人が観るべき作品だと思う。

しかし映像は監督らしく美しくてカメラワークも良いし、その美しさが残酷さを引き立てているくらいで、色々なものを滲ませ纏う空気で語るキリアン・マーフィーの佇まいや演技が物凄く映えていて、そこはとても良かった。彼の演技は本当に素晴らしい。改めて尊敬する。

でも本気でこの邦題ないわ…作品の持つ真摯さを蔑ろにしてる。
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