ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦の作品情報・感想・評価

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦2016年製作の映画)

Anthropoid

上映日:2017年08月12日

製作国:

上映時間:120分

3.9

あらすじ

第二次世界大戦直下、ナチスはヨーロッパのほぼ全土に占拠地域を広げていた。ヒトラーの後継者と呼ばれ、ナチス第三の実力者であるラインハルト・ハイドリヒは、ユダヤ人大量虐殺の実権を握っていた。イギリス政府とチェコスロバキア亡命政府はハイドリヒ暗殺計画を企て、ヨゼフ(キリアン・マーフィ)、ヤン(ジェイミー・ドーナン)ら七人の兵士の暗殺部隊を、パラシュートによってチェコ領内に送り込む。ヨゼフとヤンはプラハ…

第二次世界大戦直下、ナチスはヨーロッパのほぼ全土に占拠地域を広げていた。ヒトラーの後継者と呼ばれ、ナチス第三の実力者であるラインハルト・ハイドリヒは、ユダヤ人大量虐殺の実権を握っていた。イギリス政府とチェコスロバキア亡命政府はハイドリヒ暗殺計画を企て、ヨゼフ(キリアン・マーフィ)、ヤン(ジェイミー・ドーナン)ら七人の兵士の暗殺部隊を、パラシュートによってチェコ領内に送り込む。ヨゼフとヤンはプラハの反ナチス組織や家族と接触し、暗殺計画を進めていく。ついに無謀なミッションは実行されるが、ハイドリヒ襲撃に憤慨したナチスは常軌を逸する残虐な報復を始める―。

「ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦」に投稿された感想・評価

原題「エンスラポイド」。エンスラポイド作戦という実際にあった事件の映画。
「エンスラポイド」では日本人になじみがなく、わかりにくいのは理解できるが、それにしてもこの邦題のセンスのなさ。
内容はそこまで勧善懲悪ではないし、ましてや軽いものではない。

史実に基づいているのでストーリーは推して知るべし。
銃撃戦の描写は息をのむほど。
銃火器には疎いが、何やら大きいマシンガンが出てきたときの絶望感はかなりのものがあった。

個人的に、暗殺するときは犯人個人を特定できるようにしておかないと、関係ない人が酷い目に合うものだなと思った。
e

eの感想・評価

3.9
チェコはスロバキアと分離してベーメン・メーレン(ボヘミア・モラビア)保護領として1939年にナチス占領下となり、総督にはコンスタンティン・フォン・ノイラートが任命されます。

工業の発展していたチェコは戦争が始まると、ドイツにとって軍需品を生産するための重要な拠点となるのですが、コンスタンティン・フォン・ノイラートは比較的穏健な占領政策を摂っており、サボタージュやストライキ、その他抵抗運動ににより、生産力が落ちてしまいます。

この事に業を煮やしたヒトラーは、SSのナンバー2であるラインハルト・ハイドリヒを副総督としてチェコへ送り込みます(コンスタンティン・フォン・ノイラートは形式上だけ総督のままだったので、副総督)。

ハイドリヒは女性問題で海軍をクビになりヒムラーの面接を受け親衛隊に入隊しましたが、その後は頭角を現し、ヒトラーの政敵の排除、強制収容所の設置、反ナチ分子の徹底的な取り締まりなどを行い昇進していった人物です。長いナイフの夜、ブロンベルク罷免事件や水晶の夜、ポーランド侵攻など、ナチスの起こした重要な事件のほとんどに関わっており、ヒトラーの後継者とも目されていました。

また、ハイドリヒはヴァンゼー会議を主宰し、ユダヤ人の絶滅方針を決定付けました。ガス施設を備えた絶滅収容所はヒムラーの指揮下で作られていきましたが、ホロコーストの初期段階で100万人を銃殺したアインザッツグルッペンを組織したのはハイドリヒです。同盟国であった大日本帝国にゲシュタポのヨーゼフ・マイジンガーを送り込み、ホロコーストに協力させようとしたりもしました(日本政府は拒否)。

ハイドリヒはチェコに赴任すると、まず徹底的な反ナチ分子の粛清を行い、軍人やインテリ層を次々と処刑し「プラハの虐殺者」となります。インテリ層の粛清はポーランドで行った事と同じですね。

一方、労働者に対しては福利厚生や待遇を改善し、支持を取り付け生産力を回復させていきます。愛国心では飯は食えない、労働者にとって重要なのは、メシの種というわけです。この、いわば「飴と鞭」政策により、チェコの反ナチ抵抗運動は骨抜きにされていきます。

イギリスが本作の二人の主人公、ヨゼフ・ガプチークとヤン・クビシュら、亡命チェコ人部隊を送り込みハイドリヒ暗殺を企てたのは、ハイドリヒが暗殺されれば苛烈な報復が行われる事は分かりきっており(劇中でも”チェコが地図から消される"と言った人物がいました)、その報復によってチェコ国民の反ナチ感情、抵抗運動を大きくする目的もあったようです。つまり元からチェコ国民の大量処刑が行われることが前提の作戦だったわけです。シンプルな英雄譚ではない、ということなんですね。そう考えるとこの作戦そのものが正しいとは思えない、複雑な気持ちになります。

それでも教会で殉死したは七人は英雄として歴史に名を残しました。裏切った密告者は、ナチスからは恩赦されましたが、戦後にナチス協力者として死刑になったそうです。

さて、最後の銃撃戦が行われた教会は現存しており、壁には今でも当時の銃撃の跡が、一部残されているようです。チェコに行く機会があったら是非訪れてみたいと思います。
n

nの感想・評価

4.4
今まで観たナチス映画の中でもかなりショッキングな内容だった。終盤の臨場感と緊迫感溢れる銃撃戦に圧倒され、鑑賞後は暫く動けなかった。
キリアン・マーフィー素晴らしいです。特にラストシーンは思い出しただけで涙が出るよ、、

それにしてもこの邦題はさすがに酷いなぁ。
R

Rの感想・評価

4.2
圧倒的だった。

ナチス占領下で、祖国のために命を賭した男たちの勇姿を見た。
劇的でありながら静かで、しかし力強く、戦う彼らの恐れと決意が強く感じられる。
特にキリアン・マーフィーの演技は素晴らしく、カットは芸術的。キャラクターの感情がありありと伝わってきて、彼の演技に呑まれるようだった。

また観たい。
キリアンマーフィー含め役者たちの演技がすごく良い。史実を元にしているということで、映画にしてくれなければ知らなかっただろうなあと思う。こんな悲惨な歴史があったのだと勉強になった。最後はこうなることを予想していたけど…始終、緊張感があり楽しめた
実話。レジスタンス
HxRxK

HxRxKの感想・評価

4.2
邦題なんとかならなかったんですかね…
余りにも酷い。

観終わって、心臓がドキドキしたままで、物凄く疲れた。

壮絶。

この言葉しか出てこない。
拷問シーンはかなりキツかった。
終戦の影にはこういうレジスタンスの働きもあってこそだったんですね。


最後に…
キリアンはやっぱり良いですね。
harumijano

harumijanoの感想・評価

3.9
キリアン・マーフィーいいなぁ…
声がすごくいい。かっこいい。
クリスチャン・ベイルみたいなセクシーさがありながら彼みたいに俗な顔をしていないというか。似てはないけどね。
ジェイミー・ドーナンは『ルイの…』で初めて見たから今回は引き締まってるなぁと思いました。

戦場での戦いだけじゃなく、こういうレジスタンスの努力があっての終戦なんだよなぁ。
作戦の日は8時25分かはほんとヒヤヒヤ。打てなかったのは、そうなるんじゃと思ってたんだよねぇ〜、まったく。

辛いシーンが多いなぁ…
アタの拷問もオパルカの自決もブフリークが落ちていくのも…
ヨゼフはもう作戦が失敗してレンカが亡くなってって時からある種どうでも良さがあったんじゃないかな。と思わせるくらい最後のキリアンの目がすごい。
なんかこの映画に対してっていうより気が塞いできたからこの点数。もう暫く戦争もの観たくないな…

一つ気になったの…
レンカが殺されたって聞くシーン
"it's not your fault. it's not your fault."って、アノ映画すぎませんか笑笑
8さん

8さんの感想・評価

4.0
ナチス第3の男ラインハルト・ハイドリヒの暗殺計画を、史実を基に描いたサスペンス作品。

第2次大戦中期、ナチスがヨーロッパのほぼ全土を制圧していた頃。イギリス政府とチェコスロバキアの亡命政府とが協力して極秘計画を練る。パラシュートを使ってチェコ領内に送り込んだのは、2人の軍人ヨゼフ・ガブチークとヤン・クビシュ。

当時、チェコの統治者でホロコースト計画を推し進めていたのが、ヒトラー、ヒムラーに次ぐNo.3と言われたラインハルト・ハイドリヒだった…


『死ぬまで戦い続ける事が、俺たちの使命だ。』


色々なナチス関連の作品を観てきましたが、完成度の高さと印象の深さは、間違いなく上位に入るでしょう。暗殺計画のチームリーダーとして指揮を執るヨゼフ・ガブチーク役のキリアン・マーフィーが迫真の演技で、目を奪われますね。身の危険を顧みず任務を遂行を使命とし、不可能とまで言われた任務に果敢に挑戦する熱い心に惹かれてしまいました。独裁政治に怯える市民、ロンドンから送り込まれたエージェントと国内レジスタンスとの考え方の違いなど、絶妙なカット割りと演出で集中力が途切れる事はありません。容赦ないドイツの汚れた歴史の1ページは、あまりの理不尽さと残酷さに言葉を失いかけますが、最後までドラマチックに描かれた演出に作品への思い入れが強くなってしまいました。
SNSD3320

SNSD3320の感想・評価

4.2
ひどい邦題はさておき、原題はAnthropoid。
ホロコーストをテーマにした作品は色々あるけど新しい角度から描いた作品。色と音楽と迫真の演技が残酷さを際立たせます。もう見ていられないシーンも何度かあったくらい生々しく描かれています。
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