ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦の作品情報・感想・評価 - 93ページ目

「ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦」に投稿された感想・評価

ウユニ

ウユニの感想・評価

3.9
あまりにも凄惨な、でも本当にあった戦い…こちらにも伝わってくる人々の震えは、劇場でぜひ感じて欲しいです。
緊迫のラストは多くの皆さんが語ってくれているので別の感想をば。
キリアン・マーフィーの青く澄んだ瞳の美しいこと!
これまた間もなく公開の『ダンケルク』も期待しちゃいますね。
子供の頃、同じくハイドリヒ暗殺とその結末を描く映画を観たことがある(=『暁の七人』)。
その衝撃的なラストに放心し、忘れられない映画として記憶に刻まれた。
題材の地味さも手伝ってか、DVDにもなっていない作品だが、劇中のプラハの街並みや石畳みがあまりに美し過ぎて、そしてそれはより一層、侵略を受け入れる哀しみを滲ませているようにも思え、心に刻まれた。
撮影当時のプラハは東西冷戦の只中で、まるで戦中がそのまま冷凍保存されたような街並みであったことも衝撃であったが、その後のソ連崩壊で先ず脳裏に浮かんだのはあの街並みで、今度は西側の資本に侵略されてしまうのだろうか、という憂慮だった。またそれ故なのか、いつしか私の中にあるプラハはこの映画の風景にイメージされる街として記憶に固定され、この偏りまくりの思考についてはプラハの方々にお詫びをしたいと思った。

さて前置きが異様に長くなったが、その実話を同じくする作品が公開されることを知り、すぐに試写会に応募。今回の鑑賞となった。
出演はキリアン・マーフィー。同じく祖国を取り戻す抵抗運動に絡め取られる『麦の穂をゆらす風』の演技に何度泣かされたことだろう。逆にジェイミー・ドーナンは、『フィフティフー シェイズ オブ グレイ』のクールで怪しい性癖を持つセレブリティーとは真逆の、おそらくこれまで人を殺めたことなどない、どこか頼りなくも心優しい青年を好演している。
暗殺に至るまでの緊迫と、その後の凄まじい報復とその抵抗となる教会の攻防は、瞬きと呼吸を忘れてしまう程だった。
そして全編に渡るあの哀しいまでに美しいプラハの街並みが蘇り、今の時代にどうやってこれを撮影したのだろう、と感服した。
私の記憶に刻まれているプラハの街並みは、今回の作品によって更に上書きされたように思う。
試写会で鑑賞させてもらいました。試写前のトークショーで海老名香葉子さんが話されましたが、なにがあっても戦争は駄目だということが伝わる映画でした。恥ずかしながらポーランドについては多少知っていても、チェコについては知りませんでした。暗殺計画は今なら無謀、無理だというずさんなものでも当時はそれしかないという状況が伝わる話ですが、それでもこの映画をみれば今の日本が憲法改正などと軽く話せる訳がないと感じるのでは。重苦しい映画ですが、見るべき作品だと思います。
サリー

サリーの感想・評価

4.4
Filmarks試写会にて

ナチスNo.3の暗殺作戦の実話。ラスト30分の襲撃が 実際は 6時間だったことに言葉がない。
数人のために村ひとつが無くなるとか、狂ってる。普通でいられるわけがない!
そして、その史実も忘れてはならない。
どんなに弾圧され、粛清されても、祖国の未来の為に命をかける若者達がいた事実は重い。
そして、周りの人々、なんの関わりもない人々をも巻き込む史実には、なんともやるせない気持ちにさせられる。

抑えられた色調の映像と、緊迫感のあるストーリー、勇気と信念と愛と恐怖を演じるジェイミー・ドーナンとキリアン・マーフィが素晴らしく、美しく、ずっと奇跡を祈りながら、ドキドキが止まらなかった。
kate

kateの感想・評価

4.0
ショーン・エリス監督が15年の構想の末にオールプラハロケでエンスラポイド作戦を映像化。
抑制された色調とキリアン・マーフィー、ジェイミー・ドーナンなど実力派俳優達の好演で、淡々と作戦に関わったレジスタンスとパラシュート隊員の顛末を映している。

優れた戦争映画を観ると、人間の愚かさをひしひしと感じることがあるが、この作品にはその愚かさがギュウギュウに詰まっている。

第二次大戦中の元チェコスロバキア地域の状況やナチ、連合国との関係を事前に知っていると、何故ハイドリヒを暗殺する必要性に迫られていたのか理解しやすい。
レジスタンスのリーダーが作戦の実行を恐れた意味もである。

作戦はロンドン駐在チェコスロバキア亡命政府が立案したものらしいが、愛国心を利用した無謀とも言える作戦だった。監督が一番描きたかったであろう作戦実行後の逃走劇が精神的にしんどい。

チェコスロバキアの平和を希求し、ナチへの恐怖を抑え込んで作戦を実行した代償が余りにも大きかった。一番守りたかったはずのチェコ国民が次々と捕らえられ殺されてしまう理不尽さ。

シャコンヌの旋律で救済されたいが、これが史実だとわかっているからひたすらにツラい。英国政府の狡猾さとチェコスロバキア亡命政府の政治的思惑に胸糞悪くなる。

自ら平和への礎となる事を良しとする、類稀な勇敢さを持つ人々によって、今の世界が形づくられていることを改めて胸に刻んだ。
史実に基づく残酷な、でも一生懸命に生きた人々の映画でした。

チェコのレジスタンスの一人が「暗殺計画に反対」していますが、後半部分でその理由が述べられます。
・・・想像を超えるものでしたが、納得しました。

「麦の穂をゆらす風」から約10年。キリアン・マーフィは正義・信念のために闘う役が似合うなと思いました。

キリアン・マーフィのラストの笑顔と綺麗な瞳が印象的でした。
今年もう一本公開される「ダンケルク」が楽しみです。
knkoti

knkotiの感想・評価

3.9
チェコが舞台のナチス映画。
チェコでこんな悲惨な歴史があったのはこの映画を観るまでは知らなかった。

残酷で誰も幸せになれなくて報われなくて…切ないなんて言葉では言い表せないような史実。

終始手に汗。

また観たい!とはあまり思えないけど誰もが知るべき、観るべき一本だと思います。
MiwaKoka

MiwaKokaの感想・評価

3.2
戦争とは、かくも理不尽である。
愛国心や、命令とはいえ、暗殺が成功しても、失敗に終わっても、ナチスの報復は予想できたのに。
歴史から学ばなくてはならない。
過ちを繰り返してはいけない。
そう、強く思わせてくれる作品。
教会での激戦は、凄まじい。実話なのが悲しい。

キリアン・マーフィーが好演。
そして、いつもながら素敵なトビー・ジョーンズ。どの作品でもキーマンとなる。

エンドロールで流れる曲が余韻を呼び起こし席を立てない。
たろ

たろの感想・評価

3.6
試写会にて。
ナチスに対抗するチェコの人たちの悲劇の物語。第二次世界大戦のリアル。辛すぎる内容だった。2回目は絶対見たくないけど、これを大スクリーンで観れてよかった。

改めて戦争というのは何も生まないし希望もないというのを実感させられた。殺した人の数で正義と悪が決まるものではないし、多くても少なくても犠牲は犠牲で、なんと表現していいかわからないけれど、こんな事が実際にあった話なのだということを重く受け止めなければと思った。

史実を基にしている話なので、史実を知っている人はもちろん、知らない人でも楽しめると思う。

みんな言っているようにラスト30分は本当に見てるこっちも手に汗握る緊張の銃撃戦だった。生きるために、少しでも対抗するために、国のために。いろんな感情があったと思うけれど、正義感とか本来の目的とかそういうのも全部忘れてただ「怖い」「辛い」「死にたくない」という感情が、言葉にせずともひしひしと伝わってきて演者はもちろん、音、映像、演出全てが緊迫感溢れる良いラストだった。

密告者はどうなったかとか色々気になることはあるけれど、見てすぐの感想はただ「第二次世界大戦やナチス、戦争に少しでも何か感じる人は見て欲しい」と思うような映画だった。