けんぼー

RAW〜少女のめざめ〜のけんぼーのレビュー・感想・評価

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)
3.9
「洗礼」を受けた少女が「女性」へと変化していく。抑えきれない「欲望」と「生(性)」を生々しく描いた作品。

ある少女が大学進学をし、そこで先輩たちからの「洗礼」を受けることで次第に自分の中にある「欲望」に気づき、それを抑えきれなくなっていくっていう感じの物語。

とにかく生々しい表現が多く、「うわあ。。。」ってなるシーンもあるのですが(特に大学の先輩たちからの「洗礼」は結構エグいものばかり)、それとは対照的に、風景をとらえたシーンや、馬が走るシーンなど「美しさ」を感じられるようなシーンも多いのが印象的でした。

形容するのが難しいのですが、人間の「欲」や「生(性)」が持つ「グロさ」「狂気」や「力強さ」「エネルギー」といったような、相対するものが混ざり合ったような、そんなイメージを持ちました。

また、「血」がこの作品が持つテーマかな、とも思いました。
ネタバレに気を付けながら書きますが、主人公の少女は「血」がきっかけであることに目覚め、そして「血縁」というのもそこに絡んでくるんですよね。

感想を書くのが結構難しい作品なんですけど笑。
人間の持つ本能的な欲求と成長過程の不安定さを生々しく、美しく映し出し、静かに、けどしっかり胸に迫ってくる。ホラー?って言っていいのかも分からない感じなんですが、不思議な魅力を持った作品です。

2022/5/5観賞