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RAW〜少女のめざめ〜のmasatanのレビュー・感想・評価

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)
4.7
途中退出したくなる衝撃作というのは本当だった。しかし私は食い入るように、この映画に夢中になった。
テーマはカニバリズムと生と性における何か。何かをいうとネタバレに近いので言いません。マズローの欲求階層説の第一層、いわゆる生理的欲求を全て見せつけられました。食欲、性欲、睡眠欲、排泄欲...正直、2度と見たくないシーンも多々あります。あまりにも衝撃的すぎて、ふと色んなシーンを思い出してしまいます。

私がグロテスクな作品が好きなので見たわけですけど、この鑑賞者の多くもそれに近い趣向を持っていると思います。グロいシーンが好きな人なんてあまりいないし、変人扱いを受けることもあるけれど、とある本でグロいものに興味示すのは人間の欲求として正しいことと書いてありました。(理由は省略)
主人公の獣医学部に通うジュスティーヌはカニバリズム(食人)に目覚めるのですが、私もグロいものに目覚めたことと同じなんだろうなと。彼女にとって、カニバリズムに興味を示すことは自然なのです。ただそれが時代に合うかどうか、それが問題。
周りに合わない感性や考え方、趣向を持ったとき、それをどうするかという悩みを持つ人は少なからずいるでしょう。そしてそれがあまりにも非社会的であれば、何か解決策を見つけ出さなければならない。
ジュスティーヌの父親は「解決策を探して欲しい」と言った。彼女は今後どうなるか。とても気になる。


ジュスティーヌ役の女優さんがフランス女優版高橋一生くんって感じでかなり好印象!物語の重要人物、彼女のお姉さんはノージェンダーな風貌でとても惹かれた。2人の体当たりすぎる演技が素晴らしい。他にもっと出て欲しい。
やはりフランス映画の独特な雰囲気と曖昧な感じが大好き。フランス語勉強したくなる
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