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RAW〜少女のめざめ〜のslowのレビュー・感想・評価

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)
4.3
遂に観てしまった。禁断青春物語。
『ゆれる人魚』と重なる部分もあるのだけれど、いやはや。ジャケットの彼女の眼を見てもらえれば、普通じゃない映画だというのが伝わるだろうか。伝わらないな。あの眼、何を見つめていると思う?
世間知らずな箱入り娘ジュスティーヌは、ベジタリアンな秀才少女。そんな彼女が初めて親元を離れ、両親の母校であり現在姉も在学中の獣医学校に入学することに。大きな不安はあるものの、期待と大好きな姉との再会を楽しみに入寮を済ませた、その日の夜。ジュスティーヌの想像した不安と期待の答え合わせが、早くも始まることになる。

監督はジュリア・デュクルノー。新鋭の女性監督、って最近多い気がする。
ステファン・ダンの映画を観た時に感じた鮮烈さ。描写としては生臭さもあるけれど、何かが脳内で切り替わる劇的展開の見せ方が好きだ。それは印象的な音楽の使い方によるところも大きい。あの終盤使われた楽曲などを聴くとやっぱりフランス映画だなと思う。主演はギャランス・マリリアー。タイプで言えば、満島ひかりのような目で演技ができる憑依型の女優。実際、満島ひかりはこんな役好んでやりそう。ダメだ、満島ひかりに見えてきた。あの見つめる時の眼なんてほぼ劇画だった。ゴルゴ13。その眼の演技が発揮されたのが、見つめるシーンとあのシーン。もう表情すらよくわからないあの状況を眼だけで演じ切るとは。凄いよこの子。

見方によっては『シェイム』のような物語でもあるのかな。生の苦しみというか、すっかり飼い慣らされて牙を抜かれた現代人へのメッセージだったようにも思う。それは言い過ぎか。自分は半分コメディかな?ぐらいで観ることができたけれど、血肉系グロに注意。ある程度耐性がある方は是非。