厳格なベジタリアンとして育ち、動物と人間は同等だと考える少女が獣医学部に入学する。新入生への洗礼として上級生に生のウサギの臓器を食べさせられた時、彼女の中で生肉へのとめどない欲求が目覚める…。
美しくも哀しいカナバリズムのお話。
少女が己のサガに抗い、もがきながらも欲望に負けてしまうその様子が、飾り気も誤魔化しもなくストレートに描かれる。
つまり、肉を貪り喰らうシーンがどんなゾンビ映画より、変態人食映画よりもリアル。
グロ映画大好物の私ですら目を背けたくなった。
描写だけでなくストーリーも驚きの連続でラストまで目が離せない。
寒さも深まってきた晩秋の夜に、ちょっと変わったおフランスのカナバリズムはいかが?