Yuuki

RAW〜少女のめざめ〜のYuukiのレビュー・感想・評価

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)
4.0
私はジュスティーヌ。厳格なベジタリアンで神童ともてはやされながら全寮制の獣医学部に進学したら在校生からの凄まじい洗礼に圧倒!その通過儀礼の一環で食べたことのなかったウサギの腎臓を食べさせられちゃった!初めての生肉で蕁麻疹が止まらないけど、何だかもっと食べたくなってきた…一体私どうなっちゃうの〜!?な話

グロ描写はそこまでなのに、様々な状況や心情、感情、バックグラウンドがないまぜになった事でここまで精神的なダメージを負わせてくれるのか!とめちゃめちゃ驚きました。グロには100%の耐性があるんですが、この私の顔を歪ませ「オゲゲのゲ〜!」と叫びたくさせたこの生々しさ、お見事!この描写は並の人間には表現できないでしょ…さすがおフランス。さらに女性監督で長編処女作なんだからすごいよね

化粧はおろか浮いた話も何もない純朴すぎる少女が、生肉を口にしたことで大人というか「獣」の階段を登ってく過程は本当に見応えがあり、誰しも訪れる思春期の成長を女性監督の目線でここまでキンキンに尖らせて表現するとは…。グロテスクなのと同時に、なぜか美しいとさえ感じてしまいました。全てのシーンがアーティスティック!主役の子も文字通り体当たりの演技が圧巻!

でもあの全寮制の大学、完全に狂ってません?「夜中にいきなり部屋を荒らして新入生全員を廊下に並べて一つの場所に連れて行き、パーティーの始まりだ〜!」とか、「集合写真撮る寸前に大量の動物の血をブッかける」とか、「部屋に入ってきたジュスティーヌに青いペンキをぶっかけて、同じく黄色いペンキをかけられた男と部屋に閉じ込めて緑色になるまで出てくるな」とか、何それ?最初の20分ですでにこの狂った通過儀礼は始まって、下手すると置いてかれる危険性はあるのでシッカリとしがみつくことが大事ですね。その他、酒、タバコ、セックス、ドラッグ、獣医学の解剖授業と、かなり情報量が多いのもすごい!
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