ピッツア橋本

RAW〜少女のめざめ〜のピッツア橋本のレビュー・感想・評価

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)
4.2
“性なる悪寒。それは食べたらあきまへん!”

厳格なベジタリアンとして育った少女が姉も通う獣医学校に入学して起こるセクシャルバイオレンス的ホラーサスペンスドラマ。

正直始めの20分間は一体これがどんな映画なのか全く掴めなかったけれども、テーマがわかり、五感に直接訴えかけてくる不快感を楽しむようになれればかなり新鮮な映画体験の出来る作品だと思った。

タイトルのRAW=生、生肉
って感じが実に良く表現されていて、ビジュアル的にも、発想的にもダイレクトなインパクトを与えていた。
静かにドロドロしている。

明確な理屈による動機でなく、極めて動物的な本能からアレコレ食べたり吐いたりしてしまう主人公。
スプラッタやサイコホラーっていうのとはまたちょっと違ってまさに血と生による衝動が描かれているドラマ。

やってる事はかなりB級映画なはずなのに、何だか知的で意味深に感じちゃうのはフランス映画のセンスなのだろうか笑

そういえばフランス人の同僚が
「今のフランスの音楽は全然良くない。バカな言葉を並べてバカな事を歌ってるだけ」
と憂いていたが、この事か!とも思える内容だった笑。

自分にとってはダークに楽しい映画でした。
ピッツア橋本

ピッツア橋本