エイデン

東京喰種 トーキョーグールのエイデンのレビュー・感想・評価

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遥か昔に発見された人間と同じ姿をしながらも人間を捕食する怪人“喰種(グール)”
喰種に対抗するべく、国家は喰種対策局“CCG”を組織し、東多くの喰種が駆逐されたが、喰種は未だ東京の闇に紛れていた
読書好きの内向的な大学生カネキは、行きつけの喫茶店“あんていく”で、友人のヒデと他愛のない話で盛り上がっていた
すると、そこにカネキが密かに想いを寄せる常連の女性リゼが入店する
声を掛けろと背を押すヒデだったが、気弱なカネキは抵抗し、読んでいた本を落としてしまう
しかし偶然にもリゼは同じ本を読んでいたこともあり、それがきっかけでデートの約束を取り付けることに成功する
そして心待ちにしていたデート当日、カネキは緊張しながらも充実したひと時を過ごす
その帰り、人気のない夜道に差し掛かったところ、リゼはカネキを抱きしめたかと思うと、その首に唐突に牙を突き立てる
驚きながら苦痛に耐えるカネキを前に、リゼは引き裂いた肉片を貪ると、瞳を赤く変色させ自分が喰種であることを明かすのだった
怯えて逃げ惑うカネキに、リゼは嬉しそうな笑みを浮かべると、喰種の捕食器官である“赫子(かぐね)”を展開させて追い詰めていく
カネキは腹を赫子に貫かれてしまい、逃げる力すら失ってしまう
ところが突如 建設中のビルから鉄骨が落下すると、不意を突かれたリゼは避けることもできずに下敷きとなるのだった
病院で目を覚ましたカネキは、瀕死の自分を救うため、医師が許可なく死亡したリゼの臓器を移植したことを知る
一方、CCGの上等捜査官 真戸とパートナーの一等捜査官 亜門は、20区に侵入した1体の喰種を殺害し、その遺留品であるオーダーメイドの指輪から、妻に当たるもう1体の喰種が侵入したと推測
三等捜査官の草場の協力を得つつ、喰種殺害に並々ならぬ執着を見せる真戸と、正義感に燃える亜門は捜査を進めていく
その後、カネキは順調に回復し久々に大学へと登校する
ヒデは彼を明るく出迎え、カネキにとって普段通りの日常が再開しようとしていた
ところが食事をしようとした途端、カネキは目の前のハンバーグに違和感を感じ、口に入れた途端に戻してしまう
自宅に帰ったカネキは、様々な食べ物や飲み物を口に入れてみるが、受け付けることができなくなっていた
喰種は人肉以外のものが不味く感じるという論説を聞き、恐怖に捉われたカネキはリゼの幻覚に襲われる
それを振り払った時、彼の左眼は彼女と同じ赤色に光り輝いていた
異常なまでの飢えに突き動かされたカネキは街へと繰り出すが、既にすれ違う人々へ食欲が向いていた
より強い食べ物の気配を追って路地へとやって来たカネキは、そこで人間を捕食している喰種を目の当たりにして我に帰る
次の瞬間 その喰種は新たに現れた喰種ニシキに首を跳ね飛ばされて即死
ニシキは“喰場”を荒らしたとしてカネキに襲いかかるが、そこに割って入ったのは若い女性の喰種トーカだった
彼女は20区の喰場の管理はあんていくが行っていると指摘し、ニシキを追い返す
助けられた形となったカネキだったが、パニックを起こしてしまいその場を逃げ出してしまうのだった
しかし飢えに苛まれるカネキは、あんていくへと赴きトーカに助けを乞う
人間から喰種になったカネキに嫌悪感をぶつけるトーカだったが、あんていく店長の芳村は彼を迎え入れることに決めたことで、カネキは喰種の世界へと脚を踏み入れていくが・・・



石田スイ原作の同盟漫画を実写化したアクション映画
またまた原作知らないのに観た作品だけど、ハチャメチャに悪いことはない印象

まずもって良かったのは意図せず人を食う怪人 喰種になってしまうという悲劇的な展開
自身の変貌を知覚するシーンは食事の描写に嫌悪感を含ませる演出は大変よろしい
窪田正孝が食べ物を口に詰め込んではゲエゲエ言って吐きまくるのも体当たり的で素晴らしいし、人肉食の欲求に迷いまくる辺りも、嫌悪感を交えながらも感情移入してしまう反吐が出そうな出来だった(褒め言葉)
ゾンビ映画をゾンビ視点で観ているようなおぞましさ
そも人肉食という最近のゾンビ映画も忘れがちなタブーを真摯に描き出した良さがある
それだけやってて全年齢対象とは頑張ったとは思う
そりゃ出家する人いるわ
段々と自分の中の人間が無くなっていく一連の変貌は、既視感あると思ったら『第9地区』かな

独特な世界観も特に違和感無く観ることができた一旦は、キャスト陣のハマり具合じゃないかと思う
まあ原作は知らない身ではあるけど、特に戦闘時の立ち絵姿はなかなか絵になる
演技としてもキャラクターに入り込んでる感が強かったし、そこに違和感は感じなかったかな
ねちっこい悪役を演じてた大泉洋が好き
窪田正孝は大学生には見えなかったけど、まあ8年くらい浪人してたんだろうな

ただまあ違和感というと、戦闘シーン自体に少し観られた
まあCCGの面々なんだけど、アクションは頑張っていながら、武器(クインケ)を使ったシーンがやはり浮いて見えることもあったかな
喰種が赫子を使っているシーンがあるので、個人的には“そういうファンタジックな世界”なんだと割り切ってはいたけど、実写によるリアリティも相まって、反比例的に浮いて見えてしまうかも

原作ファンとしては言いたいことの一つもあるかもしれないけど、
喰種になったことで理性と獣性の狭間で苦しむカネキくんが、弱肉強食の世界での戦いを通してアイデンティティを獲得し、ダークヒーローとして覚醒していく
という姿は総じて存分に描かれているので、原作知らない勢でも普通に楽しめた
またダイエットに良さそうな映像もたくさんあるので、夏に向けて痩せたいギャルも観ましょう
まあ僕は生レバーが食いたくなったので、効果はまちまちだ
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