LEONkei

愛しすぎた男 37年の疑惑/ニースの疑惑 カジノ令嬢失踪事件のLEONkeiのレビュー・感想・評価

2.8
〝水は冷たく痛いほど肌に刺激を受け無になれる…真冬の海は全てを忘れ、全てを洗い流してくれる〟

1976年に南仏ニースで起きた、カジノ経営者の令嬢が失踪した事件の実話を基にした物語。

令嬢だからなのか、単に性格なのか…自由奔放で一見大人びた振る舞いの〝アニエス〟も、真は純粋なココロ故に男に翻弄され自ら落ちていく姿が悩ましい。

この事件は知らなかったが、結局〝アニエス〟はどうなったのだろう…。

題材としては不可解で興味あるものだが、映画としての描き方は方向性が若干ブレ焦点が定まらない印象。

事件を描くと言うより人間関係の繋がりや、ココロの複雑な葛藤を中心に描いた作品。

〝アニエス〟役のアデル・エネルの徐々に崩壊し情緒不安定な様は、観ていて痛々しく好演だったのではないか。

全ては真冬の海の冷たい刺激を感じさせるような、恋人〝モーリス〟との関係に〝アニエス〟は翻弄される。

泳ぐ〝アニエス〟のシーンが度々登場するが、波に揉まれたい気持ちは理解できる。

泳いでる時は常に手足を動かす事に集中し、何もかも忘れられ頭の中を洗浄するかのような感覚に陥る…止まってしまったら沈んでしまうのだから..★,
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