mare

繻子の靴のmareのレビュー・感想・評価

繻子の靴(1985年製作の映画)
3.5
オリヴェイラによる7時間にも及ぶ壮大な大作でサタンタンゴ以来の長期戦だった。原作はポールクローデルの戯曲でこの作品の真価は映画として観ることも演劇として観ることもできる二重の側面にある。幕が落ちて風景が変わったり、登場人物がカメラ目線で延々と議論したり、セリフも膨大で時に追えない瞬間も何度かあったほどで、必然的に人物に目が行くような作りは舞台を観ている感覚になる。とにかくセリフ量が頭でキャパオーバーするレベル。さまざまな国を跨いだり砂漠から海から宮殿までセットも色とりどりで没入してしまう。原作を読み込んでてすっと呑み込めるだけの理解力があれば見え方は全く変わると思う。あとサタンタンゴ方式でエナドリ一気して臨んだけど今回は通用しなかった。何度か気絶しながらもオリヴェイラの貴重な初期作を観れて良かった。
mare

mare