じゅぺ

浮雲のじゅぺのレビュー・感想・評価

浮雲(1955年製作の映画)
3.6
浮雲、みた。成瀬巳喜男の作品は初めて。お互い未練がましく相手を責め、傷つけ合いながらも、絡まってほどけない糸のように、少し離れては突き戻される。どうして別れないのかとも思うけど、二人が同じ画面にいるだけで、なんとなく納得できてしまう。人はたくましいようでいて、やっぱり弱いんだな

不幸な方向に転がっていけばいくほど切なく輝いてしまうのが幸子。皮肉屋でちょっとサディスティックな富岡との相性の良さ。妥協してちょうどいい場所に収まりそうになると、途端に反動的になって道をはみ出してしまう。何がやりたいんだって感じもするけど、人の気持ちってそんなものなのかもしれない
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