ノラネコの呑んで観るシネマ

絵文字の国のジーンのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

絵文字の国のジーン(2017年製作の映画)
2.8
それ自体が感情の擬人化である、絵文字に目を付けた着想は悪くない。
ようは「シュガーラッシュ」の絵文字版なのだけど、世界観に無理があり過ぎる。
一つの絵文字は一つの表情、ところが複数の表情を持つ主人公は“不具合”として削除されかかる。
だけど、他の絵文字も十分表情豊かじゃん。
絵文字のメッセージアプリだけ街になってたり、絵文字になぜか親がいたり、他のアプリとの差異も謎。
スマホという身近でイメージしやすい物だからこそ、世界観のアバウトさとリアリティの無さが致命的。
世界観が混乱しているから、主人公の個人的な危機と、スマホ自体が不具合を起こしてると誤解されて、持ち主からリセットされそうとか、持ち主と女の子のコミュニケーションとか、色々な要素がごちゃごちゃして混じり合わず、サスペンスが盛り上がらない。
最後もあんまりオチた感がないのだが、あれならいっそジーンのケースがバグによる静止画からアニメーションへのセルフ進化だったことにして、それが色んな絵文字に伝播した方が良かったのでは。
やり様によっては面白くなりそうなのに、色々残念な作品だった。