浅野公喜

ブラック・ドッグの浅野公喜のレビュー・感想・評価

ブラック・ドッグ(1998年製作の映画)
3.9
誤って人を轢いてしまい仮釈放中のトラック運転手が高額報酬の運搬の仕事を任されるも襲撃される故パトリック・スウェイジ主演のカーアクション。平均点は低めですが好きな作品であり今月終了のアマプラのウォッチパーティで友達と二十数年振りにフルで鑑賞。

小学生の頃観た時はその車同士の格闘技あるいは肉弾戦と言わんばかりの大型トラック同士のぶつけ合いに圧倒されており、山から落っこちたりガソリンスタンドに突っ込んで爆発、コンテナハウスに突っ込んで豪快に横転と少々野暮ったさが有るものの今観ても大迫力で終盤に再びトラック同士のチェイスが用意されたりとトラックメインのカーアクションでは出色の作品と言えそうです。

またそれ以外でも荷物チェックや裏切り者の存在、妻子が誘拐されてしまうといったスリリングな要素が所々に挟まれておりトラックとトレーラーの連結部分での殴り合いも有ったりと緊張感が終始持続。加えてカントリー歌手として有名らしいランディ・トラヴィス演じるソングライターの仲間も良い味出しており、良い曲が流れてるな~と思ったらそのままトラック内で歌ってる所に繋がるユーモラスな箇所も有るのも良し。

ヴァイオリン(フィドル)をフィーチャーした疾走感溢れるBGM、パトリックが乗るトラックであるピータービルト・379は言わずもがな護衛車としてそこそこ見せ場も有るいつか乗りたい3世代目のシボレー・カマロIROC-Zの存在なんかも良かったです。

日本では知名度低めながら大御所歌手の故ミートローフも執拗な悪役を好演。一部撮影場所はトラック繋がりで「地獄のデビル・トラック」と同じノースカロライナ州ウィルミントン。スピルバーグ監督の「激突!」や上記の「地獄の~」等でもトラックを運転していたスタントドライバーのキャリー・ロフティンは今作が遺作だそうで、有終の美を飾ってくれました。
浅野公喜

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