悪魔崇拝者の修道女により召喚されたホオジロザメが、海水浴を楽しむ人間に悪霊を憑依させていく。サメとエクソシズムを掛け合わせている、低予算パニック・ホラー。「デビルシャーク」の新パッケージ版。
あれもやりたい、これもやりたい、という製作者の意図が全編にわたりカオス化しており、もはや不可解なシークエンスの連続性を強制的に見せられる内容になっている。言うなれば「何が起こっているのか瞬時に把握できない系」のセミプロ作品。
サメ要素は、調子が外れたチューブラー・ベルズっぽい音楽に合わせて、CGのサメがカクカクと泳いでいるカットが挟み込まれるのみ。サメ自体のアクションはとても少なく、サメに襲われた人間の特殊メイクも、ケチャップをこぼしただけにしか見えない。
また、危険を察知した神父が介入する展開においても、よく分からない膝カックン描写で、余韻もなくシャッターを降ろされてしまう。出演者のサメに襲われている風演技、悪霊に憑依されている風演技に可愛げがあり、愛嬌のあるトラッシュ作品という印象。
