このレビューはネタバレを含みます
観賞後は特典にあるテオ監督の対談も必見ですね。フランス語で話してて笑ったw
ソルボンヌを出てるんですもんね。
詩的な言語表現と映像表現で綴られる…
『永遠と一日』
二度と三度と現れるフェンスのシーンや、崖の上からの船…随所に現れる人生観の表現に、監督の感性を感じさせてくれます。
そこから自分で色々と考えるのが楽しかった。
コップの水と海を見比べてみたり…
コップを海に投げ込んでみたり…
コップって何なんだと弄り倒してみたり(笑)
私は『永遠』ってのは長さや大きさというスケールで測るものではなくて『在り方』なんだと思うんですよね。
それは『不変』である…ということ。
例えば…流れ続ける時間。
万物に対する、時間の『在り方』
監督はそれを止めて、見せようとした。
私は、ものすごく遠くから見ると、実はそれも泡沫だな…とも思えてきました。
私にはたぶん…泡沫夢幻な捉え方が性に合ってるんだと思います。
泡の中にあった空気は…泡が弾けて消えたら、外側の空気と混ざって稀釈されていく…とすると、エントロピーの増大の極致は? 世界に溶けて混ざってくイメージ。
いいね…混沌としてるのが心地いい。
仮定の話でしかないけれど…
言葉が無くなったら…
誰も何も取り戻せなくなったら…
全てが弾けた後で『無』に帰すなら…
最後の最後に到達する収束点として…
『永遠』が現れるかもしれない。
誰もそれを知覚できない領域で。
私は優しくない人間なんだわ(*´-`)
それに比べて、テオ監督の包容力!
希望とか、歓びとか…優しさを感じる。
否定される事で安心したい訳じゃない。
それは不変ではなくなるから。
あるがままである事で、より不変に近い場所に立つ事ができるんだもんね。
不思議と穏やかな気持ちにさせてくれる。
完全に個人的な表現だけど…
翡翠みたいな作品(謎すぎ?w)