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永遠と一日のan0nym0usのネタバレレビュー・内容・結末

永遠と一日(1998年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

観賞後は特典にあるテオ監督の対談も必見ですね。フランス語で話してて笑ったw
ソルボンヌを出てるんですもんね。

詩的な言語表現と映像表現で綴られる…

『永遠と一日』

二度と三度と現れるフェンスのシーンや、崖の上からの船…随所に現れる人生観の表現に、監督の感性を感じさせてくれます。

そこから自分で色々と考えるのが楽しかった。

コップの水と海を見比べてみたり…
コップを海に投げ込んでみたり…
コップって何なんだと弄り倒してみたり(笑)

私は『永遠』ってのは長さや大きさというスケールで測るものではなくて『在り方』なんだと思うんですよね。

それは『不変』である…ということ。

例えば…流れ続ける時間。
万物に対する、時間の『在り方』

監督はそれを止めて、見せようとした。

私は、ものすごく遠くから見ると、実はそれも泡沫だな…とも思えてきました。

私にはたぶん…泡沫夢幻な捉え方が性に合ってるんだと思います。

泡の中にあった空気は…泡が弾けて消えたら、外側の空気と混ざって稀釈されていく…とすると、エントロピーの増大の極致は? 世界に溶けて混ざってくイメージ。

いいね…混沌としてるのが心地いい。

仮定の話でしかないけれど…

言葉が無くなったら…
誰も何も取り戻せなくなったら…

全てが弾けた後で『無』に帰すなら…

最後の最後に到達する収束点として…

『永遠』が現れるかもしれない。

誰もそれを知覚できない領域で。

私は優しくない人間なんだわ(*´-`)

それに比べて、テオ監督の包容力!
希望とか、歓びとか…優しさを感じる。

否定される事で安心したい訳じゃない。
それは不変ではなくなるから。
あるがままである事で、より不変に近い場所に立つ事ができるんだもんね。

不思議と穏やかな気持ちにさせてくれる。

完全に個人的な表現だけど…
翡翠みたいな作品(謎すぎ?w)
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