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もずの一のレビュー・感想・評価

もず(1961年製作の映画)
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おもしろすぎて疲れた。母娘の複雑な近親憎悪をものすごいテンポで意地悪に突き放して描き切る力業。中盤、刑務所のサイレンで幕を開ける有馬稲子と淡島千景の涙の別れの自嘲的なウェットさが絶妙だった。無言で千景を平手打ちする飲み屋の主人とか、稲子に説教かます江戸川の美容室の女主人とか、細部にも宿る嫌たらしさ。そして焼きうどん。グルメドラマかのようにしっかり物撮りもされ、丁寧に具材の説明もなされるのに、味がしなさそ~!ひとりいじけてそれをすする高橋とよ、輝いてる。
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