ふじこ

1944 独ソ・エストニア戦線のふじこのネタバレレビュー・内容・結末

1944 独ソ・エストニア戦線(2015年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

当事者でもなんでもないのに、支配され続け徴兵されて自国民同士で殺し合う。こんな悲しい事なかなかないのでは、と思う程。
敵だ!と撃ち合った後で、同じ国の人間同士だと分かり見詰め合うシーンは言葉にし難い。

さっきまで隣で笑い合っていた人間がいとも容易く抜け殻になってしまい、新たに配属された新しい戦友も、年若い人間も、親切に振る舞ってくれる農家の人も、よく知りもしない他国の他人の思惑に翻弄されてしまう。

ただただ道具のように使われるだけだったエストニアも、そこに生きる一人の人間の思惑も、最後には結局虚しさしか残らず、歴史の中の一つでしかないんだなぁ、と思わせるラストは悲しくも心に残る。
ガチガチの戦争映画(ハズレ率高)みたいなタイトルで勿体ないなと思う。
ふじこ

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