デンマークの名店ノーマが、期間限定で東京に出店するまでの準備期間に密着したドキュメンタリー。日本でやるからにはその土地の食材を使ってその風土や食文化を生かした料理を、と日本全国を巡り食材の候補を探すのだが、とにかく何でも口にしてみる姿勢がすごい…!山で葉っぱや木をかじって味を比べたり、毒キノコと注意されてるのにかじってみたり、囲炉裏の煙の香り、生きてるアリと死んでるアリの風味の違いにも目を向けたり。
より良いメニューのために、シェフたちが自らに甘えを許さず自問自答を繰り返して一皿が生まれるという事実、そんな彼らの真剣な眼差しにとにかく魅了される。名店というだけあって、料理に人生と情熱をかける人が世界各国から集まっているようで、料理がなければ出会うことなかったであろう人たちが集まって一つのコースに向き合っているのもよかった。厨房の多様性とお互いへのリスペクトが見ていて心地よい。
これを見たら、有名レストランに行ってみたい気持ちにもなったし、こじんまりした料理屋さんも好きだし、料理に限らず色んな人の想いが込もったものにたくさん出会いたいなあ、と思った。
去年やってたドラマ『グランメゾン東京』と重なる部分があって、世界的なシェフや名店の裏側を割と忠実に扱っていたんだな。盛りつけの斬新な美しさはライバル店のgakuっぽいな。なんて思っていたら、どうやらノーマ系列の方がgakuの監修していたらしい。