”アルバトロス”
130分という時間を本来何に当てるべきだったのか?
130分という時間で何が出来たのか?
130分は必要だったのか?
巷に湧いた好評価に対して開始早々から???が頭の中に。冒頭にてエクストリームな演出だなと思って感心したのは、新八と銀時の出会いの場面から小栗旬が歌うOPテーマのあまりに粗末な映像から第4の壁破壊の応用術的なリスタート。ワーナーブラザーズのロゴを出し直す用意周到性に驚いたが、漫画実写化によるコスプレ大会的な絵の連続と俳優の技能にアンバランス化した再現力だった。ギャグの配分や他作品ネタのキレの良さ、会話の言い回しによるギャグは原作に寄せようとしてきているが、全編ギャグで回さずシリアス展開を軸に置いていたことで、この世界観ごと舞台劇の延長線にしか見えない出来だった。シリアス展開の足枷としてのアクションシーンが役者のクローズアップ多用と視点の雑な切り替え、打撃のヒット同時にCGにて繰り出されるインパクト演出の薄ら寒さを、さも胸を張ってやっていると言わんばかりに何度も見せられるとこの国に生まれてきたことを後悔せずにはいられない。爆発のCGがアサイラム映画を下回るレベルだったことはギャグと解釈すべきなのだろうか?
ただ役者にはよるがキャラの再現力と存在感の出し方には身を見張るものがあり、柳楽優弥の明らかな異質性や中村勘九郎の作り込み、佐藤二朗の奇跡的なハマり具合、安定のムロツヨシ、そして何より時間の経過とともに慣れてくるハシカンの許せる存在性。それ以外はアニメのミュージカル化としてのキャラの表面的しゃべりと役者のエゴの見え透いた感じ、さらにコスプレしての大声大会の一面もあった。
これが巷で好評価というならば、宇宙飛行士となって80億のバカどもと同じ空気を吸うこと逃れ、宇宙滞在期間の記録を更新し続けたいと思う。
しかし銀魂の作品力は素晴らしく酷評となっても美味しい立ち位置にいるのが良い。
個人的にはテレビチャンピオンの大食い選手権の復活劇にトキメキを感じてしまった。
ハリウッドでの実写版はジェームズ・ガンにお願いしたい。