〝宇宙一馬鹿な侍映画だコノヤロー！〟
原作は一巻だけ読んだことがあるくらいで、ほぼ銀魂素人。面白いギャグは面白い、寒いギャグはとことん寒い作品だった。
宇宙人が支配する江戸時代。かつてその体制に反旗を翻すも敗北した攘夷志士の銀時は、廃刀令が下されて武士が没落していく世の中で万屋を営んでいた。ある日、盟友の桂小太郎が謎の辻斬りに斬られ、銀時は犯人探しに乗り出すが…というストーリー。
多様な宇宙人が闊歩する江戸の街というのは、どことなくスター・ウォーズっぽい。
キャラクターは菅田将暉演じる新八が素晴らしかったほか、佐藤二朗と菜々緒のやりとりが軽妙で楽しかった。
実写化に無理のあるエリザベスを、観客から指摘される前に自分たちで先回りしてツッコミを入れていくことが出来るは、銀魂らしい強みだと思う。
「楽して勝ちたい。命が惜しい」
やる時はやるが普段は自堕落な銀時のキャラクターに、小栗旬の演技がよく合っていた。新八や神楽のオーバーリアクションも原作通りなのだろうが、実写化するにあたり、寒くならないギリギリのラインを綱渡りしてる印象だ。酷評も聞くが、個人的にはうまく綱渡りを成功させていると思っている。
かなり他作品ネタが盛り込まれているので、これらにピンと来るかどうかで本作の満足感は変わってくると思う。あと、きっと映画館で観た方が、他の人の笑い声の後押しで自分もつられて笑いやすくなる気がする作品だった。
