滝和也

KARATE KILL/カラテ・キルの滝和也のレビュー・感想・評価

KARATE KILL/カラテ・キル(2016年製作の映画)
3.5
「剣道三倍段」と言う
言葉をお知りだろうか?
剣道の有段者に対し
空手は三倍の段、力量
が無ければ戦えないと言う

故、大山倍達の言葉である。

まして銃を相手をや…だが…
光速の手(ティー)はそれを超える!

「KARATE KILL カラテ・キル」

空手一代〜♪誓った日から〜♪といきなり空手バカ一代から入りましたが、正に蘇る70年代、タイガーマスクか、空手バカ一代の梶原一騎先生か、直撃地獄拳のサニー千葉かと思わせる劇画調空手映画でした(笑)

アメリカに留学した妹(紗倉まな)が失踪した。空手の達人である兄(HAYATE)はアメリカへ。妹が働いていたキャバクラで彼女がカルト集団に攫われたことを知った彼は敵本拠地へ、アメリカで知り合った謎の女(亜沙美)と共に乗り込んでいく!

シンプルかつストレートなストーリーに徹底したアクション。そして脱げるセクシー女優さんを配したエロ。そしてカルトを配したグロ。正にこの猥雑さが70年代の匂いを感じさせますね。

勿論現代のお話故にカルトの存在やこだわりの銃器、パソコン、携帯のストリーミングを使っての殺人フィルムを販売してたりして、アップデートされているものの、それに対する主人公は徒手空拳であり、空手バカ一代(笑)

やはり徒手空拳の凄みを見せるには苦手な存在を出すに限る訳ですが、ここの見せ方が巧いし、私好きな内容。丁寧に創られてます。

異種格闘技戦は間合いの勝負なんです。剣や銃に対して如何に間合いに入り、武器を無力化するかが勝負。ここで最初の敵のバーコードハゲ(笑)の木刀相手から走るトラック内の真剣持ちの侍との対決の伏線がまず巧い。そして最強の間合い、飛び道具の銃器との戦いがクローズアップされてるのはお気に入りポイントです。まぁ音速で飛ぶ弾丸を避ける技は荒唐無稽にしても、剣術と戦う術は理に適ってましたよ。またこのハゲがかなりのキャラなんですが(笑) 侍の方も殺陣が巧いのでハヤテさんの空手が活きるんですよね。

因みに…長剣はあの中では不利。コンテナ内では振り回し難いのであの展開が可能になります。つまり決めるには突きしかないんです。本来脇差の出番なんですが、相手が空手の達人だと不利かな(^^)

HAYATEさんのアクションは素晴らしいですね。流麗な琉球唐手の流れを組む無駄のない動きで敵を倒していく。更にパルクールもお見事。こんなに動ける方がいるんですね。演技は…ですが基本クールな役なんでまぁ置いとくとして、やや残念なのが香港映画と比べ、打撃音の被せがやや弱い所かな。その辺りの外連味が更にあったら尚、迫力増してますよね。

妹さん…、まなさんですか。エロを見事に引き受けてます(笑)健康的すぎな気はするんですけど…。まぁナイスですよ(笑) 味方してくれる謎の女に亜沙美さん。この方もあちら出身なんですね、アクションもできて、凄い方です。演技に一つ関心したのですが、銃器に対する特訓中にハヤテさんの顔が彼女に近づいた瞬間の戸惑い気味な表情が素晴らしいです。彼女のあの表情がラブシーンに説得力を持たせてます。惜しむらくは、もうちょい出てほしかったかな〜。

後、音楽も迫力あって良かったですし、これ第二弾見たいですね。相手の組織が更に強くて無双するレベルの奴も見てみたいですね。丁寧な分、その辺の荒唐無稽さはまだまだやれそうですし。期待してます(^^)
滝和也

滝和也