叡福寺清子

こどもつかいの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

こどもつかい(2017年製作の映画)
2.7
おかしいでゲスね.「こどもつかい」ってホラーを再生したはずなのに,滝沢新歌舞伎座公演が流れてきたでヤンすよ.ディスク間違えたかしら.イジェクトっと・・・あれ・やっぱり「こどもつかい」のブルーレイだわ.こんばんわ三遊亭呼延灼です.
なんか失笑の対象になっているらしい滝沢秀明氏ですが,私は結構お気に入りですよ.ゴスティックでかつ戯画的,慇懃でありつつも冷淡な掴みどころのないキャラはホラー映画のアイコンとして十分成立してました.猫田ニャーやら烏田カーも,出自を表すギミックとして機能していましたし,猫バックルもインパクトございましたね.出落ちでしたけど.
でも残念なのはそれ以外に観るべき点が少ない事です.浪花節的に描かれた虐待シーンは胸くそ案件でJホラーしていて結構でございましたが,終盤も浪花節的に描いて駿也と尚美のいい話に纏めるのはどうなんでしょう.特に尚美はかつて被害者であり今度は加害者,そして今度は本当の母親として実子を虐待するかもしれないという,お腹いっぱいの設定だったわけでその辺りをねっとりべっちょり描いて生理的悪寒を喚起させてほしかったですね.その辺りを富井さん一人に背負わせるのは筋違いじゃないかしら.
あと色調の解釈もちょっとできませんでした.リアルタイム現実世界が深緑橙色なのに対して,それ以外は青色というのは伝わってきたのですが,単なる区別のための配色だったのか,その意味を読み取れなかった私自身が不勉強なわけで,呼延灼反省するの巻でございました.