rage30

ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring Yearsのrage30のレビュー・感想・評価

-
ビートルズのドキュメンタリー映画。

ビートルズの膨大な歴史を2時間に収めるのは不可能な為、本作は主にライブ活動をしていた初期~中期を軸に、ロン・ハワード監督(アメリカ人)の視点から見たビートルズを描いている。

貴重なインタビュー映像を始め、モノクロ映像をカラー化したり、音楽もリマスターしたりと、思ってた以上に新鮮な気持ちで楽しめた。
特に低音が強化されたのか、リンゴのドラムが非常にパワフルに聴こえたのが印象的。

個人的に驚いたのは、ゲイター・ボウルの人種隔離に対する明確な反対表明だ。
ジョン個人はともかく、ビートルズ自体にはそこまで政治的なイメージがなかったので、少し意外に思える。
しかも、これをキッカケに他の会場も人種隔離を撤回したというのだから、偉業と言ってもいいだろう。

思えば、日本においても、武道館でロックバンドが演奏するキッカケを作ったのもまたビートルズだった。
音楽のみならず、様々な文化や歴史の面でも、彼らが与えた影響の大きさには驚かされるばかりである。

『サージェント・ペパーズ』で頂点を掴むところで本編が終わるので、後期のドロドロを味わう事なく、清々しい気持ちで見終えるところも本作の特徴だろう。
ビートルズの初心者はまず本作を見てから、細かい歴史を紐解いていくのも良いかもしれない。
rage30

rage30