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ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring Yearsのらのレビュー・感想・評価

3.8
個人的に初期〜中期ビートルズが好きなので、作品の流れとともに振り返ることができてとても楽しかった。構成も巧みで、目から鱗が落ちるような情報もたくさん。表面「ビートルズの歴史」とすれば、裏面「ビートルズという社会現象が起きた時代(の歴史)」か。

そんな時代の象徴であった四人が、人種隔離を行おうとするコンサート会場に「No」を突きつけるシーンは最も感動的だった。時代のアイコンが「正しくある」ことの救いったらない。

また、大衆の熱狂っぷりとそれが引き起こす負の側面はとりわけ意識的に取り上げていたと思う。これは現代にも十分通じるメッセージ。英国に比べて米国がいかに「ファンタジーランド」であった(である)かの貴重な資料でもあるな…とか思っちゃった。コンサート会場のエピソードの他に、イエスにまつわるジョンの発言へのバックラッシュのエピソードとかね。
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