Akito

ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring YearsのAkitoのレビュー・感想・評価

3.4
およそ60年前の曲とは思えないほど、ビートルズはいつ聞いても新鮮で刺激的で、その一方で故郷のような安心感も与えてくれる。そんなビートルズが小さい頃から大好きだ。そして、この映画はさらにその愛を深めてくれる。
SNSがない時代、今より世界が広かった頃、前例のない熱狂と影響を世界にもたらしたその理由が透けて見えるような気がした。キュートな外見や斬新な音楽だけではない。”あるべき姿”に媚びない姿勢、柔軟な価値観という人間性がスターへの道を後押ししたのだった。もちろんそれはデビュー当初から形成されていた資質ではない。売れていく中で、4人(とマネージャー)が地に足をつけ、自分達らしくありながら世界を沸かす術を模索することに、世界中のどのバンドよりも真摯に向き合った結果なのだった。
この映画は、そんな彼らの気持ちの揺れ動きや信念を、制作したアルバムの時系列を追うことで解説していく、ビートルズファン中上級者向けの作品。昭和に生まれたかったなあと思うことはまずないが、リアルタイムでビートルズに熱狂できるとなると、64年に12歳だったらなあと夢を見てしまう。ビートルズは人類の誇りだ!
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