まつけん

ぼくと魔法の言葉たちのまつけんのレビュー・感想・評価

ぼくと魔法の言葉たち(2016年製作の映画)
3.7
ぼくと魔法の言葉たち 2016年 アメリカ 91分
(Amazonプライムにて)
自閉症により2歳から言葉を失い、6歳まで誰ともコミュニケーションが取れなくなってしまった。父と母は、まるで息子が誘拐されてしまったかのように失意のどん底。ある日、オーウェンが普段モゴモゴ言っている言葉が「リトル・マーメード」のセリフの1節であることに気付く。(オーウェンはビデオが擦り切れるほど毎日ディズニーのアニメ映画を観ていた。)
試しに父がオウムのイアーゴになりきって話しかけてみると…言葉を返してくれるではないか!数年ぶりの息子との会話がディズニー映画を通じて蘇っていく。

ドキュメンタリーです。脚本が父親なのが少しだけ違和感あるし、インタビューのシーンは少しストーリーに合わせて彼に演技をさせているように見えてしまうのが残念だけれど、6歳でコミュニケーションを取り戻し、いじめられたり挫折をしながらも、一人暮らしという自立を目指すお話は、感動せずにはいられません。
ドキュメンタリーですが、ディズニーアニメの映像がふんだんに盛り込まれているので、重くなりすぎずに観ることが出来ます。

ディズニーってすごいな。本当に魔法をかけちゃってるんだから。
彼の生きる原動力であり、たくさんの人に影響を与えている。彼の友だちとみんなで鑑賞会をしたりするんだけれど、その時のみんなの笑顔で幸せな気持ちになります。
彼が作った、ディズニークラブ。一緒に映画鑑賞したり、劇をやってみたり。映画の後、感想を言い合ったりするんだけれど、自分はこんな感想を持って、みんなの前で言えるだろうか。
参加しているみんなの純粋で素晴らしい答えが響いてくる。

そして、素直に、家族の悩み、彼の悩みがリアルに盛り込まれている。みんなが想像に難くない事態ももちろん起こっているわけで、そしてこれからも起こるわけで、
それでも家族愛の大切さ、支えあう心が伝わってきた。

自閉症の人は、他人との関わり合いを嫌うといわれますが、それは間違っています。(彼自身のスピーチ)
スピーチの言葉がすごく力強かった。
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