ひろ

ぼくと魔法の言葉たちのひろのレビュー・感想・評価

ぼくと魔法の言葉たち(2016年製作の映画)
3.6
ロジャー・ロス・ウィリアムズ監督によって製作された2016年のアメリカのドキュメンタリー映画

2歳で突如言葉を失ったオーウェン。自閉症と診断された彼は、7歳まで全く誰ともコミュニケーションを取らなかった。そんな彼がディズニーアニメを通じて、少しずつ言葉を取り戻していく奇跡のドキュメンタリー

まず自閉症に対するイメージ。自分の殻に閉じこもるといったイメージが持たれがちだ。この作品はそんなイメージは健常者の勝手な受け取り方だったのだと教えてくれる。彼らも等しく、人と仲良くなりたいし、人を愛したいし、人生を笑って生きたいと願っているのだ

ディズニーには魔法があるって謳い文句なんだけど、本当に魔法だったのだ。少なくとも自閉症で言葉を失ったオーウェン少年にとって、ディズニーアニメこそが世界の全てで、キャラクターの言葉こそが真実の言葉だった。ディズニーアニメってのは、心の奥底に響くようにできてるんだなあ。本当に素晴らしい

オーウェンの両親と兄の苦労も伝わってきたけど、それ以上に愛が伝わってくる。ディズニーアニメは確かに魔法なんだけど、本当に奇跡を起こしたのは家族の尽きることのない愛だったことは明白だ。パリでの自閉症会議でのオーウェンのスピーチは泣けた

ファンタジーやSFみたいな現実からかけ離れた世界を味わえる映画という媒体が大好きだけど、ドキュメンタリー映画だけが持つ圧倒的なリアリティ。真実を伝える力も映画の魅力だと思う。自分の知らない世界の真実を知り、少しだけでも理解し歩み寄れたら、きっと世界は少しだけ輝きを増すに違いない