Kitty

ぼくと魔法の言葉たちのKittyのレビュー・感想・評価

ぼくと魔法の言葉たち(2016年製作の映画)
3.5
自閉症により2歳の時から言葉を失いコミュニケーションが取れなくなったオーウェンが、ディズニー映画と家族の献身的な愛情を通して、言葉と人生を取り戻していくドキュメンタリー。

現実の社会との接点をつかめなくなったオーウェンは、ディズニー映画のビデオを擦り切れるほど観て、キャラクターのセリフを暗記して真似して話していたことに、ある日、父親が気づいたところから、オーウェンの父親・母親・兄が、ディズニーの世界をきっかけとして、オーウェンを現実の社会へと引き戻していく姿は感動的。

二度と会話することすらできないと言われていたオーウェンには、ガールフレンドができ、両親から独立した生活もはじめ、そして、失恋も経験する。

両親は、自分達がいなくなった後もオーウェンが生きていけるためには、失敗も挫折も味わって乗り越える術を身に着けてほしいと、盲目的にオーウェンを守るのではなく、深い愛情を持ってオーウェンを見守る。

ハンディキャップを背負いながらも、精一杯に生きることをあきらめないオーウェンと、それを可能にするための家族や社会のサポートが素晴らしい。

自閉症を持つ人の人生が、他の人の人生に比べて不幸せなどと言えようか?
オーウェンは、こんなにも素敵に生きている!
Kitty

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