ダムドの魅力って、スクリーミングロードサッチのような演劇的ユーモア、型にはまらない創造性、政治とは距離を置き音楽としてのパンクを追究していたところなどにあると思うんですよね。
そんな彼らの魅力が堪能できるドキュメンタリー映画です!…と言いたいのですが、後半はメンバー間の不和や、同時代に活躍したパンクバンドとの世間の評価の差など、かなり暗部に迫った内容でした。
情熱だけで続けていけるものではないし、彼らを以てしても自己実現というのは幻想に終わるものなのだろうかと、なんだか世知辛い気持ちに…。
ラットが人通りの多い街並みを歩きながら、ダムドと自分自身を自虐的に語るシーン。哀愁といった綺麗な言葉では言い表せないような現実を感じました。
音楽的な部分を期待して観ると肩透かしを食らうと思うのですが、ダムドというバンドを中心に展開される人間模様にはファンならずとも感情が揺さぶられるのではないでしょうか。