青いむーみん

エタニティ 永遠の花たちへの青いむーみんのレビュー・感想・評価

3.9
 花があるから幸せなのか。幸せだから花があるのか。どちらにしろこの映画の中にはいつだって幸せのそばには花があった。

 一族の生死を分ける出来事がただただ淡々と描かれていて、伴侶と出会い、結婚し、子を孕み、育む。これこそが永遠を招くものだと言われているよう。社会的メッセージなどを込めないというトラン・アン・ユン監督はあのラストシーンには一体何を込めたのか。あそこにアレはなかったのだが・・・
 成長過程の子どもたちやその成人後も演じる必要があるため何人もの役者が使われている。そして彼らには台詞が殆どない。個々の行動もかなり絞られているので意図的に個性を排除しているのだろうか?それは個性の連なりよりただ生が永遠を生むというシンプルなことなのだろうか?読めば読むほど疑問は出てくる。

 今年一番美しい映画でしょう。一切の無駄なくこの美しい映像博覧会は続いていく。ただ観ればその美しさにのめり込んで気がついたら時間が過ぎていた。いい映画というのはそういうもんですよね。