riesz77

エタニティ 永遠の花たちへのriesz77のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

好きな女優の共演作、メラニーロランとオドレイトトゥが見たくて鑑賞。監督は『ノルウェイの森』のトランアンユン。全体的に静かな雰囲気。荘厳という言葉がぴったりな作品だった。

映像の音楽が見事に混ざり合っていて圧倒された。セリフはほとんどなく、回想も小刻みに挿入されている。
3世代の女性を中心に描いた話。100年近くの話を2時間に収めた作品だから、ストーリーを楽しみたい人にとっては苦痛に感じる。エンターテイメントとは真逆で、映像美やアートを味わいたい人にとっては魅力的な作品だと思う。

19世紀フランスが舞台なだけあって、衣装や小道具、セットすべてが洗練されている。庭は不自然なくらい色鮮やかで、作られたセットとして見たら冷めるけど、そういったことを忘れさせてくれる話になっている。

多産な時代に病気が蔓延し、戦争も頻繁に起きていたこともあり、たくさんの死に直面する。唯一、最初から最後まで出演しているオドレイトトゥは、10代から老年期までを演じており、メイク効果に加えて繊細な演技に魅了される。
年を重ねてまだお迎えが来ない、というナレーションに複雑な気持ちになった。死ぬことが美徳にはならないし、老けていっても誰も邪魔者扱いしていないのに、天から迎えが来てほしいという表現は寂しい。
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