Kai

シークレット・オブ・モンスターのKaiのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます


観てる途中睡魔が襲ってきて、最後あれよという間に終わってしまった。。

主役は音楽なんじゃないか?ってぐらい音楽の主張がすごい(笑)

主人公の少年はピンポイントで誰かがモデルというわけではなく、総合的な独裁者の象徴として描かれたのかなと。

「何が彼を独裁者にしたのか。」という謳い文句に対して、
きっと主人公の少年が元々 特別あるいは異端な存在だったというわけではなく(その素質は十分にあったかもしれないが)、周りの人々や環境が彼をそうしていった。結局子供は親の写し鏡なのでしょう という話に見えた。

見知らぬ土地での孤独。
躾と称して 意にそぐわないお手伝いをクビにする母親。
最終的には力にものを言わせる父親。
そして夫婦共に不倫。
(しかも少年にとって初めて身近に感じた女性-すなわち初恋相手だったかもしれない女性が 父親とそんな関係になってたらそれはショック。だからいらなくなったんだ。)

そんな ある意味で独裁的かつ冷めた両親を見てきた主人公。
唯一味方だったお手伝いの叔母さんも辞めさせられてしまって、彼の周りには誰一人として真の味方がいなくなってしまった。

そんなこんなで 一度植え付けられた不穏の種が、周囲の環境や人々に反発する 手にあまる子をうみだす要因として徐々に芽吹いたのかなと。


今回の主人公はたまたま独裁者になったけど、
世の中の虐待の連鎖なんかも こうやって親から子へ受け継がれていたりする。
親に愛されていない子は、子供の愛し方を知るわけもなく。

子供は親の顔色や愛情に敏感で、本来無条件で自分を愛してくれる最も近いはずの存在に(ほんとの意味で)自分を見てもらえていない、興味を抱いてもらえないことほど哀しいことってないなと改めて実感した。

以下ものすごく個人的な話。
将来子供ほしいと思う反面、我が子が人を傷つけたり犯罪者になったらどうしようか。それが怖くてたまらない。それだけの責任が自分にあるかと思うと本当にこわい。。みたいな話を鑑賞前にしていたところなので、その恐怖や不安を裏付けられたようでやっぱり怖くなった。
(でもそれだけの覚悟や危機感て、親としては必要だとも思うんだけどな。。

家族って自分の世界を第一に構成する要素だから、そこの基盤がしっかりしてるかどうかって
その人の性格や幸福度、その先の人生にまで大きく影響していたりすることも珍しくない。
という当たり前のことを再認識させられて少し辛くなった(笑)

---------
帰り道、映画中ところどころ出てくる違和感について考えてみた。そもそもどこが心理パズルミステリーなんやねんーって。
けど、結果として謎が解けた(ここについては割愛)ときは本当に感動したし興奮した。細部まで凝ってて とても良くできた演出だと思う。
(鑑賞中は眠くなったのに笑)鑑賞後がこんなに楽しくなるなんて。映画の醍醐味を存分に味わった作品だった。感謝。
Kai

Kai