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シークレット・オブ・モンスターのbopapaのレビュー・感想・評価

3.5
2017年 126本目

オープニングがめちゃ好き。第一次世界大戦頃の映像にのっかる、超不安にさせる弦楽器の音が。オープニングタイトルが流れて行く中で「音楽監修:スコットウォーカー」の文字が出てきます。

スコットウォーカーといえば1960年代にウォーカーブラザーズでフランキーヴァリの「太陽はもう輝かない」のカバーを大ヒットさせた人。映画は2016年の作品だったのでまぁ同姓同名だろうと調べたらまさかの同じ人でした。70歳代のおじいちゃんが作る曲じゃないですよ、不穏過ぎる。

作品の内容自体は、直接描写してないけど多分こうだろな〜、コイツとコイツはアレなんだろな〜と観客に想像させまくるシーンが多くて、そのくせ展開は激しくなく暗く重いので観ててホントに疲れる。

子供育てた人間にすれば程度の差はあれ、子供なんて大なり小なりああいう所あるんじゃないの?癇癪起こしたり喚いたり逆らったりさぁ。とか思って観てました。

が、ラスト15分で彼が成人になったシーンで展開がガラリと変わります。残念ながら人の顔が覚えられない僕にはこのシーンの配役の意味も全くわからずラストを迎えたのですが、俳優さんの顔の見分けがつく方なら多分ビックリするはず(僕は鑑賞後に解説サイトとかで配役の解説を読んでやっと理解。鑑賞中にリアルタイムで気付ける人が羨ましい)。

ラストシーンの意味がわかると、遡って主人公の少年時代の信仰心への段階的な反抗の意味がわかり、オォーッ!となる構成はとても面白かったです。まあ確実に眠くなるタイプの映画なので万人にオススメ出来ない所は残念ですが、面白かったです。

あと、使用人モナが解雇される時の捨て台詞が嘘みたいにカッコ良いので、自分の備忘録の中に書き留めたいレベルでした。
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