ベルサイユ製麺

シークレット・オブ・モンスターのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

4.5
日本オリジナルのジャケと、わざわざ英語のオリジナル邦題の狙いは明確で、本当に浅ましく腹立たしいので絶対観てやんないよと思っていたのですが、他の方の格好良いレビューなど読んでいるうちに観た方が良い気がしてきまして。

…本当に観て良かった。これ観逃すところだったとは。宣伝担当者はパージである。

この作品、ストーリー展開を重視する方には圧倒的に物足りないでしょう。邦題のせいでミスリードし易いとも思います。個人的には「アイヒマンて結局はさあ…」とか「あの事件の少年、実際はさあ…」みたいなお話が大好きなので大満足です。

というか、そもそもお話なんてどうでもいい。初っ端、始まった瞬間から、その画と音楽に、ムードに、ノックアウトされてしまった。完全に。もうそれだけで良いよ。出来る事ならこの画の中に入ってしまいたいけど、こうもガサガサの手だと触れる事すら出来ないね。
映画の古典の自習をサボってきてしまっている自分には、この作品の美しさ、重々しさが果たして本物なのか、単なる擬古典主義の出来損ないに過ぎないのかは判断出来ません。(勿論形容する能力も無いです。)でも、いいよ。好きって思ったから。好きだと思えるものが見つかって本当に良かった。劇伴に至っては、全ての映画の中で一番好きです。本物とか偽物とかどうでもいいよ。狂信。
こんな内容の無いレビューは兎も角として、他の方のレビューなど見て気になった方は、是非観てみて下さい。この作品に出会うべきなのにまだ出会えてない方が絶対いる筈です。