安堵霊タラコフスキー

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

3.6
ランティモスの作品は嫌いじゃないけど、もう劇場で見るのはよそうかなと思った。

というのも不条理劇というか一風変わった作風の映画で成功してしまったせいもあり前作も今作も超現実的な要素のある作品となっているのだけど、どちらもその超現実的要素が驚きを与える出オチにしかなっていなくて、しかも今回はそれをサスペンス的に使用している為に解決法や結末が先に知りたくなり、上映時間が2時間じゃなく3時間近く感じられてしまった。

なのでこれからはそんな苦痛を覚えずに済むように早送りが可能な媒体で見られるまで待つことを心に決めた。

後期キューブリックを意識したかのようなねっとりしたカメラワークや終盤のファニーゲームへのオマージュは気に入ったけれども、前述のように不条理な出来事が逆に足を引っ張って緩慢になってた感は否めないし、カンヌでこれに脚本賞を与える選択は正直理解できない。